京都好きなの

あ・・・・あれは確かお笑いの。
出来れば・・綺麗なお姉ちゃん系が・・
嬉しいんだけどな。


かつて、都をどりにはまって、毎年自分でチケットをとって
毎年、春に祇園へ赴いていた頃。

その年は四月もまだ寒くて、普段は少しずつ履かなくなった
スカートにフォーマルな格好をして行きました。

席は自分では指定出来ないんだけど、その年は
アリーナに当たって、テンションが上がっておりました。

が、ちと前過ぎてぐるりと観る事は意外と出来ないんですよね。
席は真ん中通路からすぐ横端。
すぐ隣りには妙に威圧感のある黒尽くめの洋服にめがねの
婦人が座っていました。

観覧中にこの婦人とちょっと喋るご縁がありまして、
舞台が終わった後に
「折角出会えたのだから、どこかでお茶しましょうよ。」
と誘われた。

年齢を聞けばなんと77才!?
きりりと黒のスーツを着こなしてすきがない。
・・というより何か特別な威圧感というか迫力がある
女性。
間違っても私とさしでお茶するようなタイプではない。

そう、そうじゃないから私もなんかそそられた感じかな。

二人は祇園甲部　歌舞練場を出て、祇園四条通りにある
喫茶店、田園へ。

その頃はえらく胃腸の具合が悪くて珈琲が飲めなかったので、
私はしおらしくミルクティーなんか注文。
婦人は珈琲。

いつもらしく婦人はタバコを取り出して、ハイポをつけて吸い始める。
私は吸わなかったからなしね。

どこかワンピースに出てくるボア・ハンコックのような
高飛車雰囲気で、婦人は色々と質問してくるけれど、
あんまり人の事は興味ないらしい。

シンプルにお喋りがしたいらしい。

聞けば、東京からはるばる、毎年京都が好きで
やってくるらしい。
泊まりは勿論、某高級ホテルで、帰りには支配人自ら
お見送りに駅まできてくれる・・らしい。

もと東京銀座でママをやっていたとおっしゃるが、
本当なんだろうか・・。
気性の強そうなところや必要以上の威圧的雰囲気などからして、そっち系の
感じは十分しましたが、旦那さんと息子が警視庁お勤めとは
ほんまかいな・・な内容でしたが、本当かもしれんし。

海の近くに別荘があって、よくそこで過ごすそうですが、
「海に行くと鼻炎なんか治るし、思ったよりも維持費なんか
掛からないわよ。」
なんて私にも別荘どう?的に薦めてくれる。
うん、潮風は風邪もひかなくなるっていうしね・・。汗

しかし、
「あぁ桜なんかもう見飽きたわっ!」

私のをデジカメ見て、
「カメラはフィルムタイプで十分じゃないの!?
そっんなデジタルもん、私はキライっ!」

と、始終、ボア・ハンコック的のけぞり姿勢台詞に、
なかなかのキャラクターだなぁ・・と感心。

ちょっとうちの二つ違いの姉に似てるなぁとも思いました。

60になろうと70になろうと、もとの性格は変わらないし、
年の功なんて現実にはないんだなぁ・・いい勉強になるわ・・と
思っていました。

こっちのプライベートの話になると
「あははーそりゃもう駄目ね。離婚するねー。」
と楽しそう・・・。

「私は厳しいカトリック系の学校に行ってたけど、
いいのよ、離婚したいと思ったら離婚すればいいのよ。
変に我慢なんかしなくていいのよっ。」

彼女なりに励まして・・くれているらしい。

富豪層の奥様の相手をするには、まだまだ私は
会話べた過ぎるようです。

ふと、会話が途切れたので、じゃあそろそろ帰りますと
席を立った。

婦人は取り入って予定がなかったようで、
もう帰っちゃうの?な感じでしたが、すいません、ガールズトークは
やはり苦手です。

でも、私は、人間嫌いの人間好き、
実は、お話嫌いのお話好きでもあるから、奇跡的に都をどりの会場で
また見かけたならママ、声くらい掛けて下さいーーーー
な感想です。

当時よりは少しはお喋り出来るようになっているかも・・です。



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